月のかけら

ドール写真とオリジナル小説『月のかけら』のブログです。最近はツィッター(@teaca_twi)でも活動中ヾ(°∇°*) オイオイ

(小説)誰よりもきっと、6-8

(小説)誰よりもきっと、6-8

 

誰よりもきっと 目次

 

ビルは表の警備の抜け出すと、音楽ホールの廊下を走っていた。コンテスト会場への入り口は、一度二階にあがり、音楽ホールの後ろから入るようになっている。ビルは二階にあがり、コンテスト会場の入り口手前まで来ていた。入り口の手前で、ビルは二人の警備員を見ると立ち止まる。警備員は、深く警備帽をかぶっているため、顔がよく見えなかった。ビルは、疑われないように、平静を装ってコンテスト会場に入ろうと、再び歩き出す。

「おっと、ここから先は通すわけにはいかないな」

警備員はビルがコンテスト会場へ入ろうとすると、右手を挙げて、ビルに制止するように言ってきた。

「・・・誰」

ビルは、反射的に立ちはだかった警備員に問いかけた。ビルは、表の警備員とは明らかに違う気配を感じたからだ。

「まぁ、名乗るほどの者じゃ、ないんだけどな」

二人の警備員はそう言うと、帽子を取って、後ろへ投げ捨てる。

「・・・・」

ビルは二人の顔を見ると、驚きの表情をみせる。

「ビル、何をしているの」

ビルが立ち止まっていると、後ろから舞が追いついてきた。舞は二人の警備員を見ると、不思議な顔をする。

「ビルの知り合い?」

舞は二人の警備員をみながら話しかける。

「まぁ、知り合いと言えば知り合いかな」

舞の問いかけに警備員が答える。二人の警備員は舞を下から上までじっくりと観察すると、嬉しそうに答える。舞はその視線を感じると、自然とビルの後ろに体を隠した。

「じゃ、早く通してもらおうよ」

「舞さん、そう言う意味じゃないんだ」

ビルの苦しそうな声を聞くと舞は、何だろうと思う。

「この二人は、メアリーを誘拐した犯人達だよ」

「えっ!!」

舞は改めて警備員をみると、そこには確かに、警備員とは思えない不快な表情をみせる二人が近づいてきていた。

「そう、そう通り、正解だ。それと、残念な知らせがある」

二人は、腰に手を回すと隠し持っていたナイフを取り出す。嬉しそうな顔をするとナイフを逆手に持ち中腰になり構える。

「俺たちの事を知っている者は、この世にいないことになってるんだ」

「・・・」

ビルは街で盗みをしている連中にはない殺気を感じると、舞の前にゆっくりと移動する。

「舞さん・・・逃げてください・・・」

「・・・いいけど、ビルはどうするのよ」

「何とかしますよ。ここで逃げる訳にはいかないし」

「二人いるのよ。ナイフを持って・・・」

「いい覚悟だ。でも、お前も、そこの嬢ちゃんも逃がすわけにはいかないなぁ」

犯人の一人はビル達が逃げられないように、階段側に威嚇をしながら移動をしてきた。ビルと舞はナイフから逃げるように移動をする。

「逃げられないみたい」

「怪我しないように下がっていてくださいよ」

ビルは舞を自分の後ろに隠す。ビルと舞は、犯人達に左右から挟まれるような位置に移動させられる。ビルは左右の犯人を見る。さすがに、ナイフを持った二人を同時に相手には出来そうにない。後ろには、舞もいる。逃げるわけにはいかない。メアリーのことを含めて、ここでもう一度、裏切る訳にはいかない。捨て身でいけば、なんとか出来るか? このままじりじりと待っていては、距離を詰められる。ビルは覚悟を決めて飛び出そうと決めると。

「お困りのようですわね」

犯人の後ろ、ビル達の反対側から聞き慣れた声が聞こえてきた。ビルと舞は、もしかしてと思う。いつも、いつも、メアリーのそばに現れては邪魔をしていたが、このタイミングはないだろう。

「もしかして、ライラ」

舞は聞き覚えのある声に返事をする。

「ご名答ですわ」

そう言うと、先ほどまでコンテスト会場で演奏をしていたライラが犯人の後ろに立っていた。

「怪我したくなかったら消えろ・・・いや、もう駄目だな、自分の運のなさを、あの世で嘆くんだ」

犯人の一人はライラにナイフを向けると、ライラに向かって走り出す。

「あらあら、困りましたわね。私が、そんなナイフに、おびえる訳はありませんわ」

「なんだと」

ライラの強気の態度に、犯人は立ち止まる。

「お気にさわりました。では、試してご覧になります。そのナイフ、私にはかすりもしませんわ」

「言ってくれるじゃないか。その綺麗な肌が傷だらけになるぜ」

「あらあらあら、そのバイ菌だらけのナイフと、悪臭漂うような、あなたの様な人。私と同じ空気を吸っているだけでも有罪だと言うのに、私の肌に傷をつけるなんて、百回謝罪しても足りませんわよ」

「・・・ライラ、ちょっと、怒らさないでも・・・・」

舞はライラを毒舌を止めようと思ったが、少し遅かった。すでにライラの言葉に相手は逆上している。

「もう、謝っても許しやらないぜ、その体にたっぷりと後悔させてやる」

そう言うと犯人はナイフを振りかざしながら、ライラに向かって走り出す。

「出来るわけありませんわよ」

ライラは相手をたっぷりと挑発すると、相手が逆上する姿に自分の勝ちを確信していた。

 


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1 Comments

やよい優  

No title

ライラさん…

いったい、どんな秘策が…

2010/12/10 (Fri) 23:30 | EDIT | REPLY |   

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