月のかけら

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小説「また、あしたね」 第一部 その4

また、あしたね

また、あしたね 目次



小説「また、あしたね」 第一部 その4

「さて、望君。これは何本に見える」
各務先生が僕に向かって、指を二本立てている。
「二本です」
素直に答える。
「これは、五本です」
「では、この動物は」
「象です」
各務先生は、簡単テストを何度か続けると、特に問題は無いと僕は思った。
「やはりなぁ~」
「何か悪いんですか?」
「かなり深刻だな」
各務先生は、僕のテスト結果を見ながら、深刻な顔をする。僕は各務先生の深刻そうな顔を見ると、僕の病状が悪いのか気になってくる。早く言ってほしい。
「エロエロゲス野郎から、超エロエロ奴隷にラックアップしているぞ」
いつも通りのボケに僕は、肩の力が抜ける。病人で遊ぶのはやめてもらえません、と先生に詰め寄る。各務先生は、面白そうなオモチャがあるんだ、遊ばないと失礼だと笑ってごまかす。
でも、どうして、ラックアップしているんだろうか?思い当たるのは、昨日の中庭で、美咲と話をしていたときの事。昨日のことを各務先生に説明するが、「わかったわかった」というと、次の回診があるからと、手を振ると病室から出て行った。
僕は、長いため息をつくと、今日からどうするか、考え込む。やっぱり、なるべく美咲に会わないようにして、噂が消えるのを待つべきか?
「ちゃんと責任取れよ。エロ奴隷君」
各務先生が病室の入り口から顔だけ出すと、一言付け加えていた。
「・・・誤解なんだよ」
僕は誰もいない病室で小さな声で反論するが。誰も受け入れてくれないだろうと思う。僕は静かになった病室に暇をもてあますと、昨日と同じく、売店で烏龍茶とスナック菓子を買ってくる。中庭に行こうと思うが、美咲に会うかもしれないと思い足を止める。
病院内でゆっくり出来場所は、どこだろうと悩んでいると、後ろからパタパタと人が走ってくる音が聞こえてくる。
「あ~、また、山葵味買ってるの?」
まさかとは思ったが、この足音は美咲だった。まだ、出会ってから数日だが、僕は美咲の足音がわかるようになってきた。何で僕の後をつけてくるのか、わからなかったが、僕はそれなりに美咲との会話を楽しめる様になってきた。各務先生達が面白がっていなければ、気兼ねなく会えるのだけど。
「そうだよ」
「お菓子は甘いのがいいよぉ~」
「甘いの」
「そう甘いお菓子。出来れば病院のしょぼい売店じゃなくて・・・」
美咲は、腕を組み目を閉じる。何かを考えてるのか?それとも思い出しているのか?眉間に小さなしわを作り、軽く握った右手を口元にポン・ポン・ポンとテンポよく当てている。
「そうそう、最近テレビで放送してる『イチゴ畑』が食べたい」
美咲は嬉しそうに、口元に当てていた右手を、僕の目の前に差し出す。この手は催促なんだろうか。
「へぇ、そんなお菓子があるんだ」
「何、興味なさそうね。テレビ見てないの」
美咲が、ズイズイと僕に近寄ってくる。
「仕事ばかりでね。ここ数年、テレビはニュースぐらいかな」
「う~そ~。信じられない」
美咲は、にゅ~と背伸びをしながら、僕の顔をのぞき込む。美咲の顔が、僕の数センチの前に来る。十代の女の子の肌は、きめ細かくシミ一つ見つからない。目をキラキラとさせながら見つめられると、正直、ちょっと照れくさい。当然、僕は年上だ、美咲のストレートな攻撃にも耐えられる・・・ハズだ。
「信じられない・・・どう見たって、超~オタク派ですって顔してるのに、見てるテレビがアニメで無くニュースなんて」
美咲はオタクを勘違いしているみたいだ。
「う~ん、思い出すと、やっぱり食べたくなるね」
「そう、じゃ、買いに行く。確か、コンビニなら、近くにあったと思うけど」
僕は、ここに来る前の病院の風景を思い出すと、コンビニの看板が見えたのを覚えていた。
「でも、私お金持ってないよ」
「いいよ、お菓子ぐらいおごってあげられるよ」
「ホントに」
「じゃ、外出許可取ってこれる」
「大丈夫よ。コンビニ行くぐらいなら、みんな無断で行ってるわよ」
「そうなの」
「食事制限の無い人はだけどね」
「へぇ」
美咲は僕の腕を掴むと、コンビニに行こうと腕を引っ張ってくる。
「お母さんに断らなくても大丈夫。今日もお母さんが探してるんじゃないの?」
僕は美咲の母親には、一言言っておくべきだろうと思うと、美咲の足を止める。
「いいの、ちょっとぐらい困らせたって、ちょうどいいぐらい。それに・・・」
美咲は何かを言いかけるが、「何でもないと」言い直す。
「ほら、早く行くよ。ぱっと行って、ぱぱっと帰ってくれば問題なしだよ」
「でもなぁ」
「ほらほら、こんなに可愛い子が隣にいるんだから、しっかりエスコートしてよ」
美咲はそう言うと、僕の右腕に抱きつき、上目遣いで僕を見てくる。元気そうな美咲をみると、数十分程度なら、大丈夫と思い美咲を連れて歩き出した。


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