月のかけら

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また、あしたね2 ~春~ その1

また、あしたね

また、あしたね 目次



小説「また、あしたね」第二部 ~春~ その1



僕は深夜の街を眺めている。午前0時を回っても、街の明かりは絶えない。
ビルの窓からもれる光、娯楽施設、飲食店、コンビニと必要とは思えない程のエネルギーを消費している。ほんの少し時間をさかのぼれば、日の出とともに生活がはじまり、日が沈むと眠りについていた。でも、それも時代の流れなんだろうと思う。僕一人が悩んだところで解決できる問題でもない。
僕は先月から勤めることになった病院の屋上にいる。旅先での事故に巻き込まれ入院。そのまま、入院患者から、臨時の医師として、この病院にお世話になっている。今晩は、僕の当直の順番。特に急患もなく、のんびりと屋上で街をみていた。
明かりが絶えない街だが、深夜になれば、それなりに静かだ。春にはまだ、少し早いが風が心地よい。しばらくすると、静かな街に救急車のサイレンの音が聞こえてくる。僕はサイレンの音のする方向をみる。
「これは出番かな」
と思うと、胸ポケットにしまったPHSの呼び出し音が、せわしなくなり始める。
「はいはい、今でますよ」
僕は胸ポケットからPHSを取り出すと、耳にPHSを押し当てる。
「望先生、今どちらですか」
「屋上で休憩中です」
「急患です。すぐに処置室までお願いします」
僕は心の中で『当たり』と思うと、処置室に向かって歩き出す。
「患者の容態は?」
「二十代の女性で、急性アルコール中毒で倒れたようです」
「了解、すぐに向かいます」


「大丈夫ですよぉ~。意識はぁ~、ありますからぁ~」
処置室のドアを開けると、かなり酒臭いニオイがする。どれだけ飲めば、このニオイがするのだろう。確か患者は女性だったはず。
「はいはい、わかりましたから、先生が来るまでベットで静かにしてくださいね」
カーテン越しに、看護師が患者をなだめている声が聞こえてくる。僕はカーテンを開けると看護師に声をかける。看護師から患者の名前、年齢、バイタルを聞くとベットの患者に目を向ける。
名前は神咲美喜、年齢は32歳、ブランド物のスーツとブラウスだろうか、かなり上質な服装に見える。髪は少し乱れているが、黒髪のストレート。綺麗な艶があり、かなり手入れがされている様だ。かなりいい会社に勤めていそうに感じがする。でも、かなり酔いが回っているようで、かなりみっともない姿をさらしている。
「はい、じゃ神咲美喜さんですね」
「そうですよぉ~」
「かなり、飲まれてます」
「はい、飲んじゃいましたぁ~」
「どんなお酒を飲んだか、覚えていますか?」
「今日はねぇ。新入社員の歓迎会でねぇ」
「歓迎会ですね」
「そうそうぉ~、そこでぇ~ビールを・・・中ジョッキで五杯にぃ~焼酎をぉ~ロックで・・・十杯ぐらいかな」
「後は、飲んでませんか?」
「あとねぇ~、後はねぁ~・・・・・」
「思い出せます?」
「あとねぇ~、みんなと別れてぇ・・・、公園で、酔いをぉ~覚ましながらぁ~確かぁ~日本酒を・・・」
何で酔いを覚ますのに日本酒なんだろうと、思いつつ神咲さんに話しかけるが、返事は期待できそうにない。彼女はベットの上で、気持ちよさそうに寝てしまったからだ。
「先生、どうします」
「まぁ、大丈夫だろうけど。一応、胃の中を洗浄して、後は一晩様子を見ておきましょうか」
「はい」
僕は彼女の必要な処置をすると、看護師に残りの指示をする。ベットの上で寝ている彼女をみると、気持ちよさそうに寝ている。
「気持ちよさそうに寝てるよね」
「そうですね。でも、酔っぱらいはいい迷惑ですよ。自分の意志で飲んでますからね、お酒を」
「そうだね。でも、無視することも出来ませんよ。僕たちは」
「当然ですけど、ちょっと愚痴りたくもなります」
「まぁ、まぁ、押さえて押さえて」
僕は看護師をなだめると、じゃ、彼女が寝ているベットを病室まで運ぶ手伝いをする。病室までくると、少し空が明るくなってきていた。僕は彼女の顔色を見る。血色は良く、問題はなさそうだ。後はアルコールが抜ければ問題ないだろう。僕は次の急患に備えて、仮眠室に戻ろうと思い立ち上がると、急に視界がモノトーンに変わる。


八拾弐


ベットで寝ている彼女の上に赤い数字が浮かび上がる。モノトーンの背景に、再び色が戻ると、数字もゆっくりと消えていく。僕は、病室を出ると仮眠室には戻らず、廊下から街を眺める。夜が明け始め、街が活動を始めてる。

「あと、三日・・・」

僕は小さな独り言をつぶやいた。
すると、病室から大きな音が聞こえてきた。振り返ると、寝ていたはずの神咲さんがベットから落ちていた。僕は神咲さんに駆け寄ると、彼女を抱え起こした。
「神咲さん、しっかりしてください。神咲さん」
「・・・大丈夫ですよぉ~ワタシはぁ」
「大丈夫って、ベットから落ちて大丈夫もないでしょ。どこか痛いところ無いですか」
「ありませんよぉ~」
僕は神咲さんを抱えるとベットに寝かしつける。もう一度、神咲さんの顔をみる。
「ホントに大丈夫ですか?」
彼女は僕の顔をじっと見ていた。
「どうかしました。痛いところあります?」
「やだぁ、なかなかいい男じゃない」
彼女はそう言うと、僕の首に手を回してきた。
「ちょっと、神咲さん。何してるんですか」
僕は彼女の手を外そうとすると、彼女は腕を掴んで、僕をベットへ押し倒してきた。
「へぇ・・・あの神咲さん」
彼女は僕の上で、四つんばいになると、酔っぱらいの顔から、急に色気のある姿に変わっていく。
「ダメ、美喜って呼んで、それに女がここまでしてるのよぉ~。据え膳食わぬは恥・・・って言うでしょ」
神咲さんは、入院患者用の服のボタンを外し始める。細身だが綺麗な体の線がわかる。服の隙間から、綺麗な膨らみが見えそうになる。
「でも、僕と・・・美喜さんは、今日はじめてあったばかりですよ。それで、その・・・」
僕は真っ赤になると、思わず視線をそらしてしまう。
「いいじゃない。私が気に入ったのよ。綺麗な顔してるし、線も細し、私の下僕にピッタリよ」
・・・下僕ですか、下僕、下僕・・・何か、この街にきてから女難だ。なんで、いつも、いつも。
再び、ドサッという音が聞こえてくると、規則正しい吐息が聞こえてくる。僕が振り向くと、彼女がベットの横に転がっていた。
まだ、アルコールは抜けていないと思うが、気持ちよさそうな顔をして彼女は寝ている。
「・・・この、酔っぱらい!」
僕は、彼女の顔をつつく。
「もう、飲めないわよぉ~」
僕は彼女の寝言に、笑いをこらえると、病室を後にした。


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