月のかけら

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また、あしたね2 ~春~ その4

また、あしたね

また、あしたね 目次



小説「また、あしたね」第二部 ~春~ その4


 僕は、美咲に手を引かれれるまま、お化け屋敷に入る。そこには、江戸時代を再現する宿場町が広がっている。峠前にある宿場町は、明日の朝から峠越えをする人達で、にぎわっていた。そして、看板娘が切り盛りする宿は、特に人気あった。僕と美咲は、看板娘に案内されるままに、宿の中に入ると、賑やかだった雰囲気が、一変する。明るかった宿が、一瞬にして暗闇になり、人々の悲鳴が聞こえてくる。
「だめだ、この町はもうダメだ」
「夜盗だ、逃げろ、逃げろぉ~」
美咲は暗闇になると、僕の右腕を掴む手に力が入る。宿の中では、静寂と喧騒を組み合わせた心理的恐怖を何度か、味あわされる。
さらに宿の奥に進むと、ひとりの女性が廊下に倒れ込んでいた。
僕と美咲は、何かあると思い、ゆっくりと女性の横を通り抜けようとする。
「・・・」
何も起きない。
「・・・何も起きないね」
美咲は僕の腕を掴み、視線は廊下に倒れ込んでいる女性を見ている。
「そうだね」
僕と美咲は、動かない女性を後に廊下を進むと、後ろから人が動く気配がした。後ろを振り返ると、女性がゆっくりと起き上がる途中だった。女性は左胸から右の腹までを刀で斬りつけられていた。
「戻ってきてくれたんだ・・・でも、ごめんなさい。私・・・わたし・・・・・」
女性は、最後に最高の笑顔を作ると、再び倒れ込んだ。鬼の形相をした夜盗が、後ろから刀を振り下ろしたからだ。
「ははははぁ、今宵は宴じゃ、お前達も血の花を咲かせてくれようぞ~」
夜盗が僕たちに走ってくると、僕たちは一瞬足がすくんでしまう。美咲は僕の抱きつくと夜盗に背を向ける。
「さぁ、花を咲かせようぞ」
夜盗が刀を振り上げると、僕たちの手前にカーテンが閉まる。そして、暗かった廊下が明るくなる。
「お疲れ様でした。当イベント、悲劇の宿場町。お楽しみいただけましたでしょうか?」
お化け屋敷が終わったことを告げるアナウンスがあると、僕は美咲をみる。
「怖かったよぉ~望」
美咲は涙目になりながら、僕をみる。いつもは元気のいい美咲が、お化け屋敷を出てから、ちょっと、おとなしめの姿は、ちょっと新鮮だった。


「じゃ、望先生。今日も当直よろしく」
僕は美咲との食事を終えると、病院に戻っていた。当直前に食堂でコーヒーと三色団子を食べていると、各務先生が声をかけてきた。先月、僕が事故で入院したときの担当医だ。僕の怪我が治ってから、この病院お世話になることになったのは、各務先生のおかげだ。旅の途中の事故だったが、怪我が治っても、家に戻る気もなかった。宛のない旅の休憩のつもりで、僕は臨時の医師を引き受けていた。
「了解です。最近は、緊急搬送も無いし、ノンビリと出来る日ばかりで助かってますよ」
「そうだなぁ~、酔っぱらった女性に押し倒される事もないからな、健全だよな望・せ・ん・せ・い」
僕は持っていた団子の串を落とすと、しばらく固まる。串が床に落ちると音が食堂に響き渡る。
「でもなぁ、据え膳食わぬは男の恥とも言うぞ。いやぁ~実にもったいない」
なんで知っているだろうか、各務先生は昨日、宿直では無かったはず。どうしてだ。
「美咲ちゃんに、美喜さんか、もてる男は、すごいなぁ~。どっちが好みだ。イヤ、本命はどこの子だ。初々しいさと、積極的なお姫様の美咲ちゃん。まだまだ、会ったばかりだが、大人の魅力と仕事の出来るの美喜さん。さぁ、どっちを選ぶんだ、望先生」
どこから、美喜さんの件は、たぶん看護師から聞いたのだろうと思うが、昨晩は誰もいなかったはず。各務先生なら、どこかに盗聴器でも仕掛けてそうだなと、思いながら各務先生をみる。
それに、美喜さんが仕事の出来るイメージより、酔っぱらいがピッタリだと感じる。各務先生は僕がそう言うと、美喜さんの病室に、何度も部下の人達が報告と指示を受けに来ていたらしい。お酒に弱いが仕事は出来るみたいだ。
「まぁ、まぁ、まぁ、そんな話でごまかさない。さぁ、美咲ちゃんと美喜さん、望君の好きなのは、どっち」
「どちらでも無いですよ」
「じゃ、何で美咲とデートしてるんだ」
「デートじゃないですよ。彼女の言わせると、僕はドレイらしいですよ」
「あぁ、そうか、ドレイか。まさに適役だよな」
僕は反論しようと思うと、胸ポケットにしまっていたPHSの呼び出し音が鳴る。僕はすぐに、PHSを胸ポケットから取り出すと、受信ボタンを押す。PHSは看護師からの呼び出しだった。酔っぱらいが病院の裏口で、僕名前を呼んでいるらしい。僕はすぐに、裏口に行くと伝えるとPHSの受信ボタンを押すと隣を見る。隣にいたはずの各務先生は、すでにいなくなっていた。
「もう帰ったかな?」
僕は各務先生がいないと事を確認すると、裏口へと向かった。酔っぱらいからのご指名、僕はちょっと、悪い予感がするが、数分後、その予感は見事に当たった。
「せんせいぁ~またぁ、おせわにぃ~なりぃ~ますぅ~」
病院の裏口に来ると、そこにはスッカリ泥酔した神咲美喜が座り込んでいた。
「なんで、夕方に退院したのに、この有様なんですか」
「なんで、なんで、なんでぇ~しょうねぇ~私にもぉ~わかりませぇ~ん」
そう言うと、神咲さんは再度、眠り込んでしまう。僕は神咲さんを処置室に運ぶと、必要な処置を施し、病室に運ぶように看護師に伝える。
「飲み過ぎなんですよ・・・」
僕は神咲さんを処置室から見送ると、独り言をつぶやいた。


美咲の(勝手に)テーマ曲



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 小説 また明日ね・・・

- 1 Comments

てんちゃん  

No title

おはようございます

この週末は帰れるのでしょうか?
お体お大事に・・・

2011/09/10 (Sat) 07:09 | REPLY |   

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