月のかけら

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小説「また、あしたね」第三部 ~秋~ その2

また、あしたね

また、あしたね 目次


小説「また、あしたね」第三部 ~秋~ その2


 病院の中庭から、噴水の水の音が聞こえてくる。イヤ、女性の大きな声の中に、小さな噴水の音が聞こえてくる。白衣を着た男性が、二人を押さえようとするが、オロオロとするばかりで、収まりそうにない。
「だから、望は私のドレ・・ィ」
最後の声が聞き取れないほど、小さくなる。
「望は、私の・・・彼氏、なんだから、手出さないでよ」
白色のワンピース、裾には三重に折り重なったレース柄。腰はキュッとしまり、胸元には可愛い小さな花をあしらった飾りが施してある。そして、白のワンピースに薄手のカーティガンを羽織った影山美咲が、望の左腕にしがみつきながら、真っ赤な表情をみせている。
「誰が彼氏よ。今、『奴隷』と言いかけたでしょ。それに、望先生は、彼女はいないって、言っているわよ。ね、望先生」
今度は、黒いスーツ姿の女性が、望の右腕を掴む。女性は、ピッチリと体の線を強調したタイトスカートに、白のワイシャツ。上着に黒色のスーツを着ている。上着はウエストの部分をボタンで留め、胸元が大きく開く形をしているため、体のラインがスーツの上からでよくわかった。神咲美喜は、美咲の真っ赤になった顔をにらみ返す。望の目の前で、二人の火花が飛び交っていた。
望は、この街に来てからスッカリ、女難だと感じていた。自分が結論を出さないまま、ずるずると答えを伸ばしているのが、一番悪いとも思っている。でも、今の不安定な自分が、答えを出せないこともわかっていた。自分が答えを出せないまま、ドンドン突き進んでくる二人に、スッカリ圧倒される日々が続いている。
「そんなこと無いわよ。神咲が脅して言わせたのよね、望」
「そんなことある訳ないでしょ」
「それとも、その胸で色仕掛けでもしたんでしょ~、怖い怖い」
「あら、貧素な胸では出来ないわよね」
「何よ」
そろそろ止めないと、手が出そうだと思いつつも、男性はどうすることも出来ずにオロオロとしている。

「相変わらず、昼間から大もてだな」
会議室で独り言を言いながら、中庭をみていると、白衣を着た男性が、大きく手を振るのが見える。何か、叫んでいる様な声が聞こえてくる。
「甘い甘い、この面白い状況、すぐに助けに行くわけ無いだろ」
白衣を着た男性が、白いワンピースを着た美咲に腕を引っ張られる。男性は左腕を引っ張られると、美咲に抱きつくような形になる。今度は、黒いスーツを着た神咲が、男性の右腕を引っ張ると、神咲が望に抱きつくような形になった。もう一度、美咲が男性の左腕を引っ張ると、男性の両腕を、それぞれ左右に引っ張る形になった。
「何やら、どこぞ時代劇のようだな」
中庭の光景を楽しんでいると、同じように病院の廊下、病室からも楽しそうな笑い声が聞こえる。これはこれで、この病院の名物になりそうだと思いつつ、そろそろ助けに行くかと思い、白衣を着た女性は会議室を後にした。


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