月のかけら

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また、あしたね 4-7

また、あしたね

また、あしたね 目次


小説「また、あしたね」第四部 その7



 望は午後の回診を終えると、いつも通り、病院内の売店へ向かう。缶コーヒーを手に取り、山葵チップに手を伸ばすが、今日は、上の段にある山葵チョコを手に取る。売店で商品の代金を支払うと、僕は病院の中庭に向かった。
中庭のベンチには、学校に帰ったはずの美咲が、うつむきながら噴水の水をみていた。僕は美咲の横に座ると、声をかける。
「・・・ウン」
美咲らしくない、元気のない返事が返ってくる。昼休みの勢いは、どこにいったのだろうか。
「何かあったの」
と、聞いてみるが、『なんでもないの』と、小さな返事が返ってくる。
少し冷たくなった秋の風が、僕たちに吹き付けてくる。美咲は僕の腕をつかむと、そっと抱きついてきた。僕は、どうすればいいか、オロオロする。中庭のど真ん中。こんな姿を見られたら、次は、何を言われるか。僕が、そんな心配をしていると、美咲の微かな泣き声が聞こえてくる。
僕は美咲をみる。美咲は、また、何かを抱え込んでいるだろうか。僕が、この街に来て、各務先生と美咲に出会った。つかみ所のない各務先生に、乱暴なところをみせる美咲。ちょっと、僕の中では、新鮮だった。まだ、治療を続けている美咲だったが、何かにつけて僕を頼ってくれたり、世話焼きに来てくれたりする。そんな時間が楽しかった。
僕は美咲の背中に手を回すと、そっと抱きしめる。美咲が、なぜ泣いているのかは、僕には、まだわからない。でも、今は、こうすることが一番いいように思えた。

「ありがとう、望」
しばらくすると、美咲はベンチから立ち上がると、元気に話しかけてきた。先ほどまでの、落ち込んだ姿は、もう無くなっている。
「どうもいたしまして」
「望は、ずっと、この街にいるよね」
「何も無ければね」
「何もなかったら?」
「この病院を首になったら、次の働き先を探さないと」
「なんだ、じゃ、心配ないじゃない」
「どうして?」
「だって、望は優秀な、お医者様だよ」
「そうでもないよ」
「そんな謙遜しなくても、私の手術を成功させた訳だし、誇っていいところよ」
「手術は各務先生だよ」
「手術を受ける気になったのは、望先生のおかげ」
さっきまで、落ち込んでいると思ったけど、スッカリ、いつもの美咲に調子に戻っている。それでも、僕は、美咲の事が少し心配だった。
僕は、PHSで看護師に連絡を取ると、一時間ほど外出すると伝える。白衣を着たままだったが、そのまま、美咲を家まで送ることにした。美咲は『望と一緒に街を歩ける』と、喜ぶと、早速、僕の右腕に抱きついてきた。一緒に街を歩けるだけで、ここまで喜んでくれる美咲をみると、僕も少し気分が良かった。


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