月のかけら

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また、あしたね 4-9

また、あしたね

また、あしたね 目次


小説「また、あしたね」第四部 その9


少し日が傾きだした午後。神咲は小走りに街の歩道を歩いていた。目的の喫茶店に到着すると、すぐに目的の人物を見付ける。
「お待たせ」
神咲は、テーブルにつくと、上着を脱ぐ。
「早かったじゃない」
貴崎は、テーブルの上に置いたノートパソコンのキーボードから手を離すと、顔を上げる。
「あなたほどじゃないわよ」
「何が」
喫茶店の店員が、テーブルにお水を置く。神咲は店員にコーヒーを注文する。
「三日前に会って話をしたばかりで、もう、何かわかった訳」
「小さい病院を相手に三日もいらないわよ。それに昔と違って、今はネットで調査出来ることも多いのよ」
「それは、そうだけども」
「まぁ、そんな事より、思ったより面白いことになってるわね」
貴崎は楽しそうに、身を乗り出しながら話を進めようとする。
「変わってないわね、その顔」
「いきなり何よ」
「人の秘密に触れたときの嬉しそうな顔。学生の頃と変わってないわよ」
「何よ、それ」
「今の仕事、あなたには天職だと思うけど、時と場合は選ばないと、友達を無くすわよ」
「なんだ、そんな事。私は気にしてないわよ。たとえゴシップでも、知りたいと思う人がいれば、私は手段を選ばないわよ」
「友達が相手でも」
「ちょっとは、手加減してあげるわよ。有料だけどね」
「いい根性してるわね」
「当たり前じゃない、この世界、食うか食われるか。自分のネタは絶対に守秘。目的の情報は徹底的に暴くわよ」
「・・・・・ホントに友達無くすわよ」
「じゃ、単独行動するわよ」
「それは、ダメ」
「神咲は私の調べた情報が聞きたくないの」
「聞きたいわよ。でも、単独行動はダメよ」
神咲は、何度も貴崎に忠告をすると、一応、貴崎は、『仕方ないわね』と神咲の提案を受けいれる。神咲の話が終わると、店員が神咲の注文したコーヒーを持ってくる。店員は、コーヒーとオーダー票をテーブルに置くと、別テーブルのお客の注文を取りに行く。
「じゃ、神咲の依頼の件だけど、さっきも言ったとおり、面白いことになってるわよ。まずは、一番の不思議は望先生」
「望先生が、どうして関係するの」
神咲はいきなり確信をつく名前に、少しビックリとした。貴崎には、病院で行方不明になった看護師の調査を依頼していた。ホントは望先生の事を相談したかったが、それは、美咲と各務先生の言葉もあり、思いとどまっていた。
「まぁ、まぁ、話には順番があるのよ」
貴崎は神咲の質問を止めると、話を再び進める。
「望先生。彼はね、今の病院じゃ、結構優秀な医師よね」
「確かに、難しい手術も成功させているし、成功率も高いって評判だけど。本人は各務先生のおかげって言ってるわよ」
「それは知ってるわよ。二人とも優秀な医師よ。でも、あの二人に決定的な差があるのよ」
「差?」
「そうよ、医師としては優秀。だけど、各務先生の評価は、他の病院でも聞くことがあるし、学会でも彼女の名前は、それなりに知られているわ。それに対して、望先生の評判は全く聞こえてこない」
「でも、優秀な医師でも、学会に出ていないなら、名前を聞くことはないんじゃないの」
神咲は、優秀でも表に出ない医者はいると思って、質問をする。貴崎は、それは無いわよ、とあっさり否定する。医者であれば、本人の好き嫌いに、関わらず学会に名前が挙がってくるわ。本人が話さなくても、周りが評判を広めるわよ。手柄の発表をしない訳はない言う。


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