月のかけら

ドール写真とオリジナル小説『月のかけら』のブログです。最近はツィッター(@teaca_twi)でも活動中ヾ(°∇°*) オイオイ

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See you・・・、その7

また、あしたね

また、あしたね 目次
See you・・・目次

また、あしたね~郷愁編~


 See you・・・その7


「はぁ~」
ちょっと、憂鬱だよ。まだまだ、先のことと思っていたけど、あっと言う間に、お見合いをする当日。月菜は、いつもの様に山菜採りの準備をする。
「じゃ、母さんいってくるよ」
「月菜どこに行くのよ」
月菜の声に、宿の台所から慌てた母親の声が聞こえてくる。大きな足音とともに、月菜の母親が裏口にかけてくる。
「どこって、山菜採りだよ」
「今日はいいわよ」
「いいわけ無いでしょ、今日のお客さんは、どうするのよ」
「別物出しておくから、いいの。今日は月菜の大事な日よ」
「別に大事じゃ・・・無いわよ」
「もう、そんなこと言って、女の幸せを何だと思ってるの、この子は」
月菜は親の決めた許嫁と結婚することが、幸せ何だろうかと思う。
「でも・・・顔を知らない人なんだよ」
「今日、会えば、そんな不機嫌な気持ちの吹き飛ぶわよ。この街の武家に嫁げるんだよ。月菜の幸せは約束されたようなものよ」
「・・・だって」
「だって、じゃないわよ。嫁ぎたくても嫁げる家じゃないのよ、月菜わかってる」
月菜が、武家の息子に気に入られなければ、この話は無かった。私、どこで見られていたんだろう。街に見かけていたのなら、声をかけてくれればいいの。お話しもしたこと無いのに、いきなり結婚を申し込んでくるなんて、どんな人なんだろうと、月菜は思う。
月菜の本心としては、この話は断りたい。でも、武家の顔に泥を塗るような行為をすれば、どうなるか。それを思うと、月菜には断る勇気は無かった。月菜はモヤモヤした気持ちを持って行く先はなく。泣きそうになった。
「僕が付き添って、昼までには帰ります」
いつの間か、月菜の隣には、望が立っていた。
「お嬢様も、色々と気持ちを落ち着ける時間が必要ですよ。女将さん」
「そうかね」
「そうですよ。お嬢様の一生が決まる大事な時ですから、気持ちが落ち着かないもの当然ですよ」
月菜の母親は、月菜の顔を見る。母親は、月菜の顔を見ながら、仕方ないわねと言うと、望に必ず昼前には帰ってくるように言う。
「月菜、私は、あなたの幸せになることが出来ると思って、この話を進めてきました。でも、もし、この話で、お前が幸せになれないと思うのなら、この話を断ってもいいわよ」
「えっ、」
月菜は、母親の意外な言葉に戸惑う。武家からの結婚の申し込み。武家の顔に泥を塗るような事、出来るわけ無いと思っていた。
「気持ちの整理をしてきなさい」
「・・・はい」
月菜は、母親に送り出されると、いつも通りの道を歩き、川沿いに出る。望は月菜の後ろを歩いていた。月菜は川沿いの道を歩くと、先日みた水鳥の姿を思い出す。今日はどこにいるのだろうと、探してみるが、水鳥の姿は見えなかった。
「お嬢様、何かお探しですか」
望が、月菜が何かを探していると思い、声をかける。
「うん・・・」
元気の無い返事が返ってくる。月菜は先日みた水鳥の事を思い出す。好きな人と出会って、好きな人の子供を産んで、この街で老いていく。今まで考えたことは、あまりなかった。でも、たぶん、そんな人生なんだろうと、月菜は思っていた。
それが、二ヶ月前、武家の結婚の申し込みから、流れが変わってしまった。良いのか、悪いのか、月菜にはわからなかった。武家に嫁げば、今後の生活には困らないし、今のように生活に追われることも無くなる。女としては、最高の身分だ。それは、頭ではわかっていたが、なぜか、月菜の気持ちは、スッキリしない。
「ねぇ、望。もしも私が、一緒に逃げてくれないって、お願いしたらどうする」
「え・・・」
「このまま、顔も知らない人と結婚するぐらいなら・・・私・・・」
「お嬢さん」
月菜の声は、小さく最後まで望には聞き取れなかった。この後、月菜は街に戻るまで、一度も口を開くことはなかった。


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