月のかけら

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月のかけら ~第一章その6~

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月のかけら~第一章
~目次~



第一章 その6


「もう、どうするんだよ。エレベータが下の階にいっちゃったよ」
小さな影が動き、囁き声が聞こえてくる。
「誰だよ、エレベータの電源切るの忘れたのは」
「たぶん、ここ数日見回りに来ていた人じゃない。怖い顔して、笑っていた二人組だよ」
「どうする。今から電源を切りに行く?」
そう言うと、小さな影が動き出す。
「今、切ったら僕達がいるって、教えるようなものだよ」
もう一人の影が、動き出して影を引きとめる」
「でも、電源を切らないと、ここに来ちゃうよ」
「・・・」
「電源を切っても、切らなくても、たぶん、あの人達は調べに来るよ」
「そうかな」
「だったら、時間稼ぎ出来る方がよくない」
「時間を稼いでどうするの?」
「逃げるの」
「戦うの」
「無理無理、近くで見たけど、すごい怖い人だったよ」
「また、単独行動したの」
「・・・あっ」
「あ、じゃないよ」
「それで、見付かったら、ここにいられなくなるだろ」
「・・・ゴメン、ゴメン、でも、先手必勝でしょ、先に知った方がいいし」
「反省の色無しだねぇ~」
「で、どうするの」
「じゃねぇ~、これでどうかな」
囁き声が、しばらく続くと、小さな影達は、何度か頷く。一人、また一人と、暗闇の中に消えていった。

暗い闇に金属が擦れるような音が響いてくる。小さな規則的の音と、時折、ゴンゴンと大きな音が聞こえる。しばらくすると、『五階です』と女性の声が響き渡ると、暗闇に一本の光が見えると、一気に光が広がっていく。エレベータが五階へ到着すると、両開きの扉が開き、エレベータの照明が暗闇を照らし出す。照明は、五階のフロアーの一部を浮かび上がらせる。そこは、家具売り場の一部に見える。ベッド、ソファ、タンス、カーテンなどの家具が、不規則な形でフロアーに並んでいるが見える。
再び、エレベータの扉が閉まりはじめると、フロアーが暗闇に隠れていく。誰も乗っていないように見えたエレベータの左右の扉から、二つの影が動いた。エレベータの照明が扉に遮られると、再び、暗闇が戻ってくる。
しばらくすると、エレベータの停止階を表示するランプの微かな明かりで、周りが見えてくる。二つの影は左右を確認する。一人が前を確認すると、もう一人が床を触りはじめる。何度も床の手触りを確認すると、今度は壁際までくると、ゆっくりと壁に手を伸ばす。手は壁にたどり着く前に、何か遮られたように止まる。柔らかいものを触っているような手の動きを見せる。
「やっぱりな。思った通りだ」
黒い影は低い声でそう言うと、腰に吊したサバイバルナイフを取り出す。サバイバルナイフを壁に向かって、突き刺すと同時に、わずかに周りを照らしていエレベータのランプの光が消えていく。黒い影は、胸のポケットから、細い棒の様なものを取り出すと、先端をひねる。すると、細い棒は、周囲を明るく照らし出す。細い棒はLEDライトの様だ。
黒い影の一人は、黒の革ジャンに黒のジーパン、腰にはサバイバルナイフと銃を持っている。体格はしっかりして、好戦的な印象を見える。街で出会ったら、思わず目を合わせないように避けられるタイプだ。もう一人の影は、革ジャンの男よりも特徴的な姿をしている。同じように革ジャンにジーパン姿だが、髪型がスキンヘッドだ。革ジャンの男の体格がしっかりしているので、比較的、体が細く見える。
革ジャンの男は、LEDライトの光を絞り込むと、壁の一部だけに光が当たるようにする。もう一人の影にLEDライトを渡す。スキンヘッドの男はLEDライトを手にすると、壁にLEDライトを当てる。革ジャンの男が、再びサバイバルナイフを壁に突き刺す。何度もサバイバルナイフを壁に突き刺すと、壁の内側が見えてくる。
LEDライトで浮かび上がった白い壁。そうしてサバイバルナイフで露出した壁の内側には、黒く虹色に光る壁が見えている。
革ジャンの男は、黒く虹色に光る壁に向かって、サバイバルナイフをかまえる。体重を乗せた強烈な一撃。甲高い音が響き、黒い壁が砕けた・・・様に思えたが、砕けたのはサバイバルナイフだった。サバイバルナイフは、真ん中からまっぷたつに折れ、先端は刃は粉々に砕けている。
「これで、間違いはなさそうだな」
革ジャンの男は、スキンヘッドの男にそう言うと、この周辺を二手に分かれて調査する段取りを確認する。
「調査は三十分、必ずいるはずだ。見付け次第、捕まえて吐かせる」
「了解。では、三十分後」
スキンヘッドの男は、指示された廊下を歩き出す。革ジャンの男はスキンヘッドの男が見えなくなると、反対側の大きなフロアーに向かって歩いていった。



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 (新)小説 月のかけら

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