月のかけら

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月のかけら ~第一章その7~

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月のかけら~第一章
~目次~



第一章 その7

「まったく、人使いが荒いんだよ」
スキンヘッドの男は、小さな声で吐き捨てる。言っている言葉は偉そうだが、声は小さい、本気で革ジャンの男に刃向かう気は無いようだ。
男は廊下を歩いていると、扉の前で立ち止まった。ベンダールームと書かれプレートの下に、『ろうや』とひらがなで書かれていた。男は少し笑みを浮かべると、扉のノブを回すと、扉を開ける。
男は同時に扉の右側に体を貼り付けると、部屋の中をうかがう。薄暗い部屋の中、二つの人影が見える。男は部屋の中から、聞こえてくる音に注意する。服が擦れる音に、聞き取れないが人の声が聞こえてくる。まだ、こちらには気がついていないようだ。
腰ホルスターから銃を取り出すと、ゆっくりと安全装置を解除する。音が聞こえないように慎重に扉の左右を確認し部屋に入っていく。部屋には、机がいくつか置かれている。前は事務所として使われていたようだ。所々に、子供がイタズラ描きをしたような絵が描かれている。
男は、絵には興味がないようだ。部屋の奥から聞こえてくる声に、ゆっくりと近づいていく。部屋の奥には、縛り上がられた二人が、床に転がっていた。
「お前ら、捕まったのか」
スキンヘッドの男は、床に転がっている二人をみて言う。二人とも、腕と両足をビニール紐で縛られている。
「あら、助けてくれるの?」
床に転がっている二人は、スキンヘッドを見ながら言い返す。二人はお互いの顔を見ると、何か言いたそうだ。床に転がっている二人は、ショッピングセンターに先ほど、入ってきた美喜と龍也だ。
「まぁ、助けてやらないこともないが・・・」
スキンヘッドの男は、二人の前に座り込む。ライターの火をつけると、ライターの明かりで二人の姿を確認する。二人とも、しっかりと手足を縛られている事を確認すると、少し安心した表情を浮かべる。そして、二人のうち一人が女だとわかると、いやらしい目つきで女を見る。
「見たところ、知り合いでも無いし、助ける義理はないな」
「それは、ちょっと冷たいんじゃない。見たところ、私達、同業って感じだけど」
龍也は、美喜を見ると、何が言いたいか、だいたいの見当をつける。スキンヘッドの男は、先週報告があった、この辺りを縄張りにしつつあるグループの一人だろう。この一年ほど、美喜達といろんな場所に捜索に出かけた。生き残った人達は、グループを作り、共同で生活している事が多かった。少ない食料を分け合っている事は少なく、どちらかと言えば、暴力に訴えるグループが多かった。生き残るために奪い合う、人が繰り返してきた戦いの世界だ。
美喜も龍也も、この男が一人でいるとは考えていない。仲間が何人いるのか、情報を聞き出したいと考えていた。それに、気になり事もある。聞き出せる情報は、聞き出さないと、この状況を作った意味がない。
「・・・まぁ、少ない食料を求めて、さまよっているのは同じだな」
男は美喜の頭から胸に視線を向け、腰のくびれにお尻、太股の曲線を楽しむと、再び美喜の顔を見る。
「ただで、助けてとは言わないわ」
美喜は男の視線が、体に向いていることを感じ取ると、少し腰をひねり、胸を強調するように体のラインを作る。龍也は、顔を赤らめると、視線を少し外す。見てはいけないと思いつつも、龍也も視線を外せない。
「へぇ~わかってるんじゃないか。いいのか、いいのか」
男の声が少し興奮してくる。唾を飲み込むような音が聞こえてくる。
美喜はスキンヘッドの男が寄ってくるが、動こうとしなかった。嫌らしい目つきの男が近づけば、女性は、生理的に受け付けないだろう。
スキンヘッドの男がおかしな声を上げているが、美喜は、すでにスキンヘッドの男を見ていなかった。美喜の視線は、部屋の扉に向いている。部屋の扉から、微かに子供の声が聞こえてきていた。始めは一人と思えたが、数人の鳴き声が聞こえてくる。男の子に声に混じって、女の子の泣き声も聞こえる。そして、何かを引きずるような音も聞こえてくる。
スキンヘッドの男も、子供達の声に気がつき、後ろを振り返る。


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 (新)小説 月のかけら

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