月のかけら

ドール写真とオリジナル小説『月のかけら』のブログです。最近はツィッター(@teaca_twi)でも活動中ヾ(°∇°*) オイオイ

月のかけら ~第一章その9~

blog_import_4d1dca02d7ab0.jpg

月のかけら~第一章
~目次~



第一章 その9

「まだ、聞いてないことを思い出した」
「聞いてないこと」
「そう、お前達がどこから来たのか。次に、そこに行くための情報を聞いていなかった」
男は、再度、銃口を美喜に向ける。いつの間にか、男のだらしなかった目つきが変わっている。無精髭を生やした顔から、だらしない表情が消えている。男の目は、少し赤く血走り、肌の少し高揚しているようにみえる。美喜からは、ハッキリと見えなかったが、スキンヘッドの男も同じように見える。
「言っておくけど、そんな銃だけでは、私達には勝てないわよ」
美喜は、二人の男を観察しつつ、返事をする。子供達の安全を確保しつつ、この状況を変えられるチャンスを造れないか、考える。
「それは、どうかな」
「どういう事」
「俺の質問に答えたら、教えてやるよ。お前達は、どこの街から来た」
「答えたら助けてくれるの」
「ああぁ、考えてやるよ。俺たちの世話係程度なら、生かしてやるよ。でも、男はダメだ」
そう言うと、男は龍也に銃口を向けると、ためらいなく銃の引き金を引く。銃声が部屋に響き渡る。床に倒れていた龍也の体が、数回痙攣すると、床に血が広がりはじめる。
「・・・」
美喜は撃たれた龍也の姿を見ると、言葉を失う。時間稼ぎのつもりだったが、あっさりと龍也に向けて引き金を引くとは思っていなかった。龍也の体から赤い血が、次々と流れ出している。意識は、無いように見えるが、確認する事は出来ない。
「さぁ、次はお前の番だ」
男は、再び男に銃口を向ける。美喜は龍也をみつつ、男の向けた銃口をみる。龍也は、まだ、生きているように見える。この男は、ためらいなく龍也に銃の引き金を引いた。言葉の駆け引きは危険に思える。
「仲間の心配より、自分のことだろ。このまま一緒に死ぬか、それとも、街の場所をはいて、世話係として細々と生きていくか、どちらかを選べ」
「そんなに、すぐには選べないわよ」
美喜は、男の機嫌を損ねないように、言葉と口調を選びながら返事をする。丁寧な言葉でも、なれなれしい言葉でもダメだ。
「いや、選んでもらう。俺たちは、気が短いんだよ。まだ、ここで調べることも残ってる。お前に時間をかけてる暇は、俺にはないんだ」
「調べること?」
「おっと、これ以上は知らなくていい。俺が殺される」
「じゃ、質問を変えるわ。世話係って何をすればいいの」
「それは、なってからのお楽しみだ」
男の美喜を見る鋭い視線は、変わらない。でも、その眼球が小刻みに揺れているように見える。
「どちらも、選ばないわよ」
「それは、無理だ。お前に、この二つ以外の選択肢はない」
「どうして、そう思うの」
「恐怖で頭がおかしくなったか。お前には、この銃が見えないのか」
「当たらなければ、怖くないわ」
「この距離なら、俺は外さないぜ」
「私には当たらないわ」
「試してみるか」
「情報が必要ないなら、試してみたら?」
美喜の言葉が終わる前に、銃声が響き渡る。男は美喜の右太股に狙いをつけて、銃の引き金を引いていた。男は、倒れ込む美喜の姿を信じて疑わない。男は喜びの声をあげて笑い出す。
しかし、その笑い声は、続かなかった。男の笑い声は、驚きの声に変わっている。男の視線の先には、倒れ込んだ事を疑わなかった美喜が立っている。そして、男が撃った銃弾は、美喜の右太股に当たらず、数センチ横の壁に命中していた。


応援よろしく!クリックで投票
にほんブログ村 コレクションブログ ドールへにほんブログ村 小説ブログ ライトノベル(小説)へ

 (新)小説 月のかけら

1 Comments

げる  

龍也、あっけなく撃たれた~!Σ( ̄□ ̄;)

続きが気になります。

2013/06/07 (Fri) 16:21 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment