月のかけら

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月のかけら ~第二章~ その2

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月のかけら~第一章 ~目次~

月のかけら~第二章 ~目次~


その2

暗闇の中、一人の少年が見える。
「第一トラップの起動を確認・・・、二名脱落」
少年の周りには、少年を取り囲むように半透明の球体が見える。半透明の球体の中には、いくつかの映像が映し出されている。
「思ったより、脱落者が少ない。これは手強いかな」
少年はバスケットボール程の球体をみながら、首をひねる。少年が見ている球体は、光の軌跡で周辺の状況を映し出している。少年達は、光の軌跡の映像を、ホログラムディスプレイと呼んでいる。ホログラムディスプレイは、少年を中心に建物の詳細を描いている。建物の構造、倒壊した柱や、壁、窓ガラスの飛散まで、詳細に映し出しているが、所々、何も描かれていない空間が残っている。
さらに、ホログラムディスプレイには動きのあるID番号が二種類。建物に進入してきた部隊を赤色ID、もう一つは、緑色IDだ。赤色のIDは、一瞬、混乱を見せる。動きの無くなったID番号に重なるようにドクロマークされる。混乱はすぐに収まり、統率された動きに戻りつつある。少年は、緑色のIDの動きを確認する。
「順調だね」
ホログラムディスプレイに表示された青色の点をみると、少年は嬉しそうな顔をする。少年は、青色に点滅する点を指でタッチする。すると青色の点が大きく拡大され、小さめのメッセージボックスが表示される。メッセージボックスの表示には、『準備完了、指令待ち』と書かれている。
もう一度、少年がメッセージボックスをタッチすると、光の軌跡で形を作った光学キーボードが表示される。少年は光学キーボードを器用にタッチしながら、何かのおまじないの様な文字列を打ち込んでいく。すると、球体の中の青色に点滅する点が、青点灯に変わる。少年は青点灯を確認すると、同じように青点滅する点をタッチする。次々と文字列を打ち込み、青点滅を青点灯へ変えていく。すると、ホログラムディスプレイに表示されている建物の所々、何も描かれていなかった場所が、詳細に描かれていく。
少年はホログラムディスプレイの建物を手で回すような動きをすると、建物が少年の手の動きに合わせて回転する。建物を手の中で回転させると、一階から十階までの詳細な建物の形が出来上がっている。
「よし、これで室内の準備は完了、残りは屋上のみ・・・。美喜、聞こえる」
少年は耳元に手を当てると、小さな声で誰かに語りかける。

「第一班、状況を報告」
テントの中から、男性の声が聞こえてくる。
「状況、敵の先行弾による威嚇を確認。閃光弾に驚いた二名がトラップに捕まりましたが、残り十名にて作戦続行可能」
「第一班は、そのまま建物の階段を確保しろ」
「了解」
「第三班状況報告」
「第三班、作戦位置につきました。四名にて、索敵中」
「先ほどの閃光弾が投げ込まれた位置は」
「索敵前のため、正確な位置は不明。閃光弾が投げ込まれる前に、東側の四階に微かな熱源を確認」
「第二班、状況報告」
「・・・」
「第二班、聞こえるか、状況報告」
「こちら、見えない敵と戦闘中、二名負傷、二名にて索敵中」
「ワイヤーセンサーは展開しているか」
「いいえ、突然、襲われたため、未展開」
「すぐに、緊急展開、相手は光学迷彩を使っている。視覚に頼るな、ワイヤセンサーを起動、ワイヤセンサーの反応がある場所へ、捕獲ネットを打ち込め」
「了解」
「第一班、二名を第二班の進入ポイントに向かわせろ」
「了解、二名を第二班の進入ポイントへ向かいます」
「第三班、索敵の体制を変更する。二人を予定通り、スコープの光干渉モードで索敵と威嚇射撃。作戦位置に近づけるな。残り二名は、テロリストが逃げ込んだビルの東側と、西側に壁から、音波探知で敵の居場所を探してくれ」
「了解」

「うわぁ・・・危ないなぁ~ここで鉢合わせるとは、予想外よ・・・、大佐、ちょっと腕を上げてきたかな?」
再び、健康的な太ももが見え隠れする。美喜は走りながら、耳元に手を当てる。
「龍也、聞こえる」
「聞こえるよ」
美喜が小さな声で、話しかけると、耳元に龍也の返事が聞こえてきた。
「ちょっと、予定変更。屋上からの索敵センサー設置は無理みたい。四名で屋上を占領、ワイヤセンサーを展開されているから、光学迷彩で隠れて索敵センサーの設置はできそうにないわ」
「もう、屋上に部隊を」
「そうなの」
「了解、じゃ、できるだけ上層階の窓際に設置する方向でいくよ。美喜の位置からだと・・・、後、一箇所設置して」
「オッケー、じゃ、マップと順路を指示して」
「今、ナビゲーションデータ送ったからスフィアフィールドの指示に従って」
少年がそう言うと、美喜の前に大きな矢印と、建物のミニチュアが表示される。矢印は美喜が歩く方向を指し示し、目的地まで誘導する。
「了解。そっちは準備は、どう?」
「順調といいたいけど、今回は大佐が頑張ったみたい」
龍也はホログラムディスプレイを見ると、相手の状況を伝える。相手の数は、十六名。一階の左右の階段に五名ずつ、残りは屋上に四名。ビル潜入時に仕掛けたトラップで、二名脱落。
「トラップで四名は脱落すると思ったけど、二名とは少ないね」
美喜は意外そうな声を上げると、素直に感想を龍也につたえる。
「そうそう、部隊の腕が上がったかな。それに屋上の占拠が早かったよ。隣のビルから状況確認して、乗り移ってくると予想してたけど・・・どうやって上がって来た」
「外壁を一気に登ってきた」
「嘘!!」
「ホントよ。こちらが状況をうかがっていると思って、一気に上ってきた。これで上と下からの挟み撃ちだから、脱出ルートの再検討が必要」
「う~んんん。まだまだ序盤戦だけど、今回は慎重に行動したほうがいいかな」
「あら、そんなに余裕無いの」
「無いよ、もう、相手の索敵が始まった。外からの光干渉波と、ビル構造物からの音波探査音を検知した。窓側は、極力避けて行動しないと、狙撃される恐れあり。音波探査音は、二種類の音波を使ってるみたい。正確に居場所は特定できないけど、居場所はばれてると思ったほうがいい。今回は、早めに目標を回収して撤収。余計な戦闘は避けるよ」
「えぇ~ずるいなぁ~、初めの頃は、『素手で十分だ!』って言ってたのに」
「確かに言ってた。けど、大佐も僕たちに実力をわかってきたってことだよ。じゃ、時間をかけるほど不利になるから、早めに終わらせよう」
「了解、じゃ、今後のプランは」
「美喜が目標の回収。僕が索敵の撹乱、目標回収後。屋上手前の階段で待ち合わせで、どうかな」
「了解。それもナビゲーションデータ送ってくれる」
美喜がそう言うと、スフィアフィールドに、建物の地図、目標までの時間が表示される。
「おおぉ~さすがに仕事が早い。今回の回収目標は、四階の東側の部屋の中だね」
「じゃ、スフィアフィールドの指示通りにセンサー設置と目標の回収。あと、索敵しつつ先に進んで」
「了解。それでは、目標回収後に」

 
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